ヘルパーステーションけろけろ 

訪問介護員。介護福祉士。IUGRによる帝切含め、帝切4回。要介護3の姑を在宅介護。

夫の上司に手紙(メール)を書いた 

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先日、ちょっとしたことがあった。

その、ちょっとしたことの詳細ははぶくとして、

その時に、けろけろは、自分がすごく衝撃を受けていることに

気がついていなかった。

 

ずっと昔、夫が、職場の研修で日本のお隣の国に行った。

研修は年に2回程度あって、それが数年あったのだけど、けろけろはその頃はちょうど子育て大爆走中だったから、

いいなー海外旅行やーん

くらいの気持ちだった。

 

でも数回行って、夫は、もう行かないや、って言った。

 

研修の内容はとてもよくて、けろけろなんかうらやましかったのだけど、そういうことを言っているんじゃなかった。

 

研修場所は山奥の施設で、研修の中に野外の内容もあって、その時にいろいろ考えちゃったみたいだった。

 

言いたがらないので、あんまり聞かなかったのだけど、その後しばらくして教えてくれたのは

 

坂道を、みんな楽しそうに登って行くんだよ

 

ということだった。

 

たくさんの同僚、いつも手助けしてくれる同僚、みんな日本各地に散っているから、たまの研修で会うと嬉しくて、いろんな積もる話もあるみたいだった。

 

野外の研修は毎日あって、それが終わると、施設内の坂道をみんなで登って行く。

 

その時に、夫は、坂道をうまく上れないから、誰かに肩を貸してほしいんだけど、もう誰もいなかったんだって。

あっと気がついたら、同僚達はみんな楽しそうに、坂道を上っていってしまっていた。

夫はそのまま坂道の下にいたらしい。

誰かが、いないと気がつくまで。

 

それが何日も続いて

 

みんなに迷惑をかけるだけなんだ、って夫は言った。

 

いじわるじゃないってわかってる。

でも、お荷物になりたくないんだ。

 

けろけろはいつも夫が研修に行く前に、

一緒に行く同僚の方にこっそり電話して

うちのだんなさん、お手数かけるんですけど、よろしくお願いします

って言ってたから、

なんとかなってるって思ってた。

 

いや、なんとかなってたの。

みんな気にしてくれてるし。

 

でも、たまに、忘れちゃうんだ。楽しい時に。

 

わたし、その時に、坂道の下でずっと見てる夫の姿が見えたんだよ。

 

ああ、ごめんよう。

 

だから、けろけろはその話を聞いてから、

もう研修の連絡がきても、行けば?って言わないことにした。

 

わざとじゃない、わかってる。でも、胸が痛んだから。

 

今回、同じようなことが起こった。

わざとじゃない、たぶん。

でも、胸がとても苦しくなった。

 

けろけろは

夫の上司に手紙(メール)を書いた。

 

わたしは夫の足が、治ったらいいなって思うことはあっても、

でも、この世では治らなくて、いい。

 

天国に行ったら、かもしかのように〜(と、聖書に書いてある)

夫が飛び跳ねる様子を〜見るよ〜きっと〜

 

でも、この世では、もう、いい。

 

あの、湾曲し、変形し、うまく歩行できず、疲れるとまったく力の入らない、

夫の、左足。

あの足は、夫とともに、60年、生きてきた。

 

わたしは、あの左足を

 

愛しているのです。

 

先生。

 

 

けろけろが胸を痛めているわけを、夫の上司がわかってくれたので、胸のつかえがとれて、眠れるようになったけど

 

自分の気持ちにはっきりと気がついた。

 

わたしは

 

あの、冷たく血の通わない、細く曲がった左足を

 

愛しているんです。

 

 

美女と野獣」では、

 

野獣にかけられた魔法は最後に解けて、

醜い野獣の姿から、美しい男に戻るけれど

 

夫の魔法は解けない。

(いや、けろけろは美女じゃないしさ)

 

でも、

 

わたしは夫と一緒に生きてきた、あの左足を、

 

愛しているんです。

 

魔法は、解けない。

 

天国に行く日まで。

 

ありがとう、左足。

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