ヘルパーステーションけろけろ 

介護福祉士です。訪問介護しています。重症妊娠中毒症による子宮内胎児発育遅延で緊急帝王切開してから出産の度に帝王切開しました。小中高大4人の子供、身体障害者の夫、要介護3で認知症の姑さんがいます。大阪から宮崎への引越しと、そのあとの毎日の記録です。

VBAC わたしには欲だった

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帝王切開経験者が2回目の妊娠出産を考える時に出てくる「VBAC」、これは帝王切開後の経膣分娩ですが、たいていのかたは、だれでも希望すれば挑戦できると思っていますが、それは違います。VBACには、決められた条件があり、それを満たしていなければ挑戦することもできませんし、また挑戦してくれる産婦人科医、またダブルセットアップという、経膣分娩、帝王切開どちらにでも転べる体制、さらには子宮破裂時に対応できる設備を備えた(人員含む)体制の病院が必要です。

 

ところが、話をしていると帝王切開経験者のVBAC希望率は思ったより多く感じます。わたし自身も、2回目の次男出産時にあわよくばと考えていましたが…適応外でしたし、また1−3人目を診て下さっていた医師に一刀両断されました。

 

VBAC、なぜトライしてみたいのか…

条件さえ揃えば、やってみたい、どうしても、経験してみたい…

 

わたしには、欲でした。

 

帝王切開というと、この社会にはまだまだ批判や非難が存在しています。

それはそれはひどいものもたくさんあります。

特に家庭内、親類内での批判は、本当になぜなのか冠婚葬祭でお酒が入った時などに噴出し(よくある)「楽して産んだ」「女の苦しみを避けて通った意気地なし」「腹に傷がある、傷もの」「子供が普通分娩より成長が劣る」「産後、寝てばかりで何もしない」「下から産んでいないなら緩んでいない」などなど…

たこれがびっくりなことに、たとえば幼稚園や保育園などの保護者との雑談で面と向かって言われる事もよくあります。

バザー準備会などでリーダー格のひとに面と向かって言われると、正直、自分のお産も自分の子供も、そして帝王切開に至った自分も、なんで生きて幼稚園になんて来てるんだろう、くらいの衝撃は受けました。

 

そういう気持ちを払拭したい、とにかく経膣分娩を経験しなければ、みんなの仲間に入れない、そういう気持ちでいました…

 

VBACはいつも、子宮破裂との危険性を伴います。

1度切れ目の入った風船を再び大きく膨らませれば、何も傷のない風船よりはるかに破裂の危険が大きくなるのと同じです。これは設備や医師がそろっても回避できません。

 

そして、子宮破裂が起こったあと、母体も胎児も予後が悪いのです。どちらか片方が亡くなるか、下手をすれば両方か、破裂した子宮は全摘になり、…

 

そこまでしてわたし、なんでVBACなんだろう…したいんだろう…よくよく考えました。

 

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わたしには、欲、でした。

両方経験しましたもん、わたしだって、女の痛み、わかりますもん、苦しみましたもん、子供も一生懸命育てますもん…

 

その先に待つ、生活が見えていませんでした。

 

VBACできるかしら、してみたいの、と相談した友人には、「上のお子さんを育てる生活を捨てる覚悟があるなら」と言われました。

 

自分の欲のために、上の子を育てることができなくなっても、さらには、その時はお腹の中で順調に育っている下の子を危険にさらすのか…

 

その勇気があるなら、幼稚園の保護者の知識のない悪口や、身内の蔑みにこそ使ったらどうなんだ…

 

結局、適応外であったVBAC、今でも医療事故は起きているようです。

みんな、社会からはじき飛ばされた感じがして、辛かったんだろうなあ…と思います。

 

でも、お産は方法であって、その先にある生活を見てほしい、その場にママ自身がいる生活を見てほしい、と思います。

 

世の中にはたまに、VBAC成功者のブログなどもあります。

それはそのひとの人生。

あなたはあなた、わたしはわたしなのです。

 

最終目的は、お腹の中に住んでいるこの子供を安全に世界に送り出す事。そして、わたし自身がその子を抱きとめ、一緒に歩んで生きていくことではないでしょうか…

 

ママの欲…あっていけないものではありません…

でも産後の生活そのものをかけるには、あまりに代償が大きく感じます。

 

それに、どこかで言われましたけど、ハタチ過ぎた子供が就活の面接で

「俺、何年に緊急帝王切開で産まれました」は、普通言わないでしょ。笑

 

普通分娩か帝王切開かなんていうことが話題に上るのも小学校低学年くらいまで。

 

あとは、お腹のどこを通過して産まれたことではなく、子供とママがどれだけ深く関わり繋がっていくかに重点が置かれると思います。

 

他人の視点にばかり自分の基準を置いてしまうと、お産も子育ても本末転倒になりうるんだなと感じます。