ヘルパーステーションけろけろ 

訪問介護員。介護福祉士。IUGRによる帝切含め、帝切4回。要介護3の姑を在宅介護。

キッチン あなたと食べたいごはん

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先日、「一生に1冊」みたいなタイトルをみかけて考えたけど、宗教を別にして、わたしにはやっぱり

 

「キッチン」吉本ばなな

 

東京で働いていた頃、ちょうど吉本ばななが流行りで、装丁のきれいさで買った本にはまりました。(写真のは文庫本)

 

「キッチン」に出てくる、玉子がゆときゅうりのサラダ。

えり子さんが買ってくるジューサーで作るはずのバナナジュース。

 

「キッチン」続編の「満月」で、母親(ほんとは父親)のえり子さんを殺されてしまい、心配して訪ねたみかげが、「命の続くかぎり作ってみせましょう」と言った晩ご飯。

 

「サラダ、パイ、シチュー、コロッケ。揚げ出しどうふ、おひたし、はるさめと鳥のあえもの、キエフ、すぶた、しゅうまい…」

 

そして、どこかに消えてしまいたい雄一に伊豆からタクシーに乗って出前みたいに届ける「カツ丼」

 

わたし、吉本ばななの、食べ物の表記がまず、好き。

きゅうり、とか、しゅうまい、とか…

はるさめ、とか、…

 

さらに、食べるシチュエーションが、すごくすごく好き。

 

家族がいて、一緒に食べた想い出があって、でも今は誰もいなくて。

「人生に1度絶望した」みかげと雄一が一緒に食べるご飯。

 

Amazonのレビューにありました。

「美味しいものを一番大切に思っている人にも食べて欲しい。その人のことを思ったその瞬間から、たとえそれがカツ丼であっても、何物にも代えがたいご馳走になるのだと思う。」

 

わたしがここ数年苦しんできた、姑のご飯。

もっとずっと前から、わたしの頭の隅にいつもあった、晩ご飯の食べ方。

 

その答えが、これなんだ、とわかりました。

 

わたしは、たぶん、「ね、美味しいね。」と言いながら、一緒にご飯を食べたい。

 

でも、それがかなわない。

 

姑さんは、食卓では目が泳ぎ、食べ物を次から次へと口に運び、噛んでは口から出し、また次の何かを口に運び、吐き出し、げっぷをし、わたしにもっともっとと要求してきます。

 

訪問介護のお仕事としては全然大丈夫。ディに行っても問題なしなのです。

 

でも、プライベートな時間で、自分の中では、やっぱり

「ご飯、食べたい」

というか…

「心も、ご飯、食べたい」

って思っているのです。

 

だから、きっとわたし、食べられなくなっちゃったんだ。

 

いつのまにか、自分のぶんのおかずを作らなくなっちゃった。

 

それに作っても、だれも一緒にご飯食べないし。

 

以前からおっとは家族とご飯を食べないのですが…

さらに姑が認知症になって、どうしても食べたくないようで、

でも、ひとりでずっと食べさせるのはどうかなあ…と思ったりで

わたし自身はもう食欲なくて、何か食べる事はできないのですけど、

姑さんの前にすわってお茶を飲んだりとか。

 

ずっとここのところを悩んでいたのですが…

なんて冷たいんだかな…って思ったのですけど。

 

自分の本当の気持ちに、

「キッチン」を再読して気がつきました…

 

もう無理はしないでおこうと思います…

 

わたし、

一緒に、

ご飯、食べたかったのです。

 

「美味しいものを一番大切に思っている人にも食べて欲しい。」

この気持ちが先立ってしまっている。

 

だから、おうちでの姑さんのご飯がつらくなってしまっています。

認知症になる前の、

姑さんにされたたくさんのことへのこだわりがあるのだと思います。

 

でもこれは、無理していいことじゃないと思う…

 

まずは、

うちのちびっこと。

 

そこから始めていこうと思います。